最初に結論を書きますが、ドクターは2011年に初期購入し2015年にアップグレードした隔年契約のオアフ島タイムシェア物件を2023年半ばに『ヒルトン・グランド・バケーションズ・クラブ(HGVC)に権利返却する』という方法で処分しました。
因みに、この記事の中では「HGVCへの権利返却」という分かり易い表現をしますが、HGVC側からの各種連絡文書やメールの上では「契約取消による返却手続き」と表現されています。(念のため)
以下、ドクターがタイムシェアオーナーシップをHGVCに権利返却することになった経緯を順を追って記しますね。 (但し物件詳細情報やオーナー個人情報に関わる部分は全てボカして書きます。 また金額に関する情報も感覚的な表記に留めますのであしからず。)
①HGVCリセール・サポート(旧再販部)への売却斡旋申し込み
「物件売却」の記事の最後に書いた通りで、くじら倶楽部さんとタイムシェアハワイさんへの物件売却相談申込と同時にドクターはHGVCにもリセール・サポート リンクページから売却斡旋(相談)申込をしました。 タイムシェアのリセール市場のことが朝日新聞の記事になる1年以上前ですから現在ほど多くのオーナーが「タイムシェアの処分は超大変らしい」とざわついてしまうかなり以前のことでしたが、新型コロナ禍で海外に行くのが大変困難になった2020年~2022年を経験して多くのタイムシェアオーナーが溜まりに溜まったクラブポイントを持て余し、セーブドポイントやリザーブドポイントをどう処理しようか途方に暮れている方も多かった時期です。 おそらくこの頃には既にリセール業者さんのリセール申し込み受付件数は増加傾向にあったでしょうし、HGVCもハワイの日本人セールススタッフを雇用調整(レイオフ)してごく少数に絞っていたほどですから、HGVCもタイムシェアの売り物件在庫にはおそらく困っておらず中古物件を買い漁る必要などさらさら無い状況だったと推測しています。
②売却斡旋申し込みの際の付記事項
ドクターが物件処分を決めた時点で考えていたことは、リセール業者さんの売却物件リストに載せて貰ったはいいが、なかなか成約にならず物件を所有したまま年を越すのはなんとしても避けたいということでした。
動き出したからにはHGVCから次年度の管理費請求を受ける前に確実に物件を手放してタイムシェアオーナーから離脱することを最優先に考えていました。
このため、HGVCリセール・サポートへの売却斡旋(相談)申し込みの際にはwebサイトの記入フォーム必須項目以外に特記事項として以下の如くいくつか付記事項を記しました。
「売却益が出ることは期待しておらず赤字にならなければ可能な限り低額の希望売却価格でスタートしたい (具体的には所有物件のHGVC販売価格の1/3の更に半分程度の希望価格案を提示)」
「デベロッパーのHGVCが第一先取特権(RoFR)を行使する場合は寧ろそれを歓迎する 個人間で売却処理するよりデベロッパーに引き取られる方が登記移動他に掛かる当方側の事務処理が省けることが期待できる」
「年齢的に勤務先定年の年齢にあり今後の所得減がわかっているため、(年々確実に金額上昇が見込まれる)管理費の支払いが今後困難になっていくことが想定される」
「年齢的な背景とは別の家庭的事情(HGVCには具体的に記載しました)があり、これによる経済的負担も見込まれ、この事情も今後のタイムシェア維持の障害になると考えている」
これらを含めて申し込みフォームの必要事項を記入した上で売却斡旋希望をHGVCリセール・サポートに提出しました。
③HGVCリセール・サポートからの返信
HGVC公式webサイト経由でリセール・サポートに売却斡旋の相談申し込みをした当日、送信からたった数時間しか経たずにいきなりリセール・サポートからメールが届きました。
但しそのメールの内容は売却斡旋申し込み時の想定とは大きく異なり『ご契約取消よる返却手続き』を提案するメールでした。
この連絡を受けてドクターはリセール市場での売却という選択肢でなく「HGVCへの権利返却」という選択肢を選択することになります。
※因みに物件処分を検討するずっと以前からHGVCのwebサイトの「サポート/お問い合わせ」ページにHGVC再販部という部門の紹介があることをドクターは認知していて、2020年当時からそのページ内にはHGVCが物件を買い取る処理も行っていると書かれていましたので、いわゆる権利返却という事務処理は相当以前から個別対応的には実施されていたものと思われます。
④『ご契約取消よる返却手続き』適用をオーナーからHGVCに申し込めるか
HGVCリセールサポートからの権利返却提案メールタイトルの一部を正確に記すと『【重要】特例 ご契約取消よる返却手続き 』となっていました。
メールタイトルの先頭に敢えて『特例』と書いているので、この権利返却という制度は全てのオーナーが希望すれば適用される性格のものではなく、何らかの条件に従って適用可と判断されたオーナーにHGVC側から適用が提案される制度のように見受けられます。
HGVC公式webサイト上のクラブ・トラベラーやオーナーガイドなどにもこの制度自体は一切明文化されていなかったと記憶しています。 (オーナーシップを持たない現在では確認することができません)
ドクターはリセール・サポートへの売却斡旋申込をきっかけに権利返却の提案を受けましたが、2,3年ほど前にはくじら倶楽部さんがHGVCへの権利返却受付窓口を代行的に担っていた時期もありました。 ですが現在はくじら倶楽部さんからHGVCへの権利返却の窓口代行的な紹介サービスは終了されています。
既にドクターはオーナーではないためHGVCのwebサイトにログインできませんので現在もリセール・サポート売却斡旋依頼ページが存在するのか確認できませんが、このページと斡旋申込依頼入力フォームが現在でも機能しているのであれば、そこから売却斡旋依頼の形を取ってオーナーご自身が抱える実情を訴えることでHGVCから権利返却のオファーを受けられる可能性がゼロではないかもしれません。
但し何度も書きますがHGVCによる権利返却(物件引取り)制度はそもそも公けにアナウンスされずに個別対応されてきた制度であり、更に現在リセール業者さんが売却依頼を受付停止するほどに物件処分希望者が増加している状況ですから、今暫くの間は権利返却の相談も難しいことが予想されます。
⑤権利返却処理の適用でどの程度の返金を受けられたか
権利返却制度はHGVCの公的なオーナーサポート制度ではないため、その適用基準を始め、残余ポイントの利用可否や次年度の管理費請求免除基準、そして過去に支払った物件購入費用のどれほどの金額が権利を返却することで戻ってくるのか、などを正確に知る術は存在しません。
既にリセール会社2社にコンタクトを試みて次の管理費請求までの間にスムーズにオーナーシップを手放すには売却益など期待してはいけないと実感していたドクターは、決して納得できる金額ではありませんが僅かでも確実な返金が約束される権利返却のオファーに素直に従うことにしました。
ドクターが権利返却したタイムシェア物件ですが、1回アップグレードした隔年物件で隔年付与ポイントは(ダイヤモンドリゾーツ買収前の旧ポイント制度で)1万ポイント以下の物件でしたが、初期購入物件の支払金額とアップグレード時の差額支払金額の合計支払い金額に対してドルベースでほぼピッタリ1/10(購入時が円高でしたので円ベースでは約1/6)の返金金額が提案されました。
上記表現では金額がイメージしにくいと思いますので、例えるなら、『2024年の大手旅行会社のツアー代金相場でハワイ4泊パックツアーに2人で1回行けるくらい』の金額という感じです。
後述しますが、予想よりかなり早くにオーナーシップを手放すことができたので、当然ながら次年分の管理費支払いも回避でき、そこで更に約2千ドルが節約できてダブル効果で今後ヒルトンタイムシェアに縛られない海外旅行を計画するための準備資金が確保できましたので、ドクターもレディも大変満足しています。
⑥未使用のクラブポイントはどうなったか
権利返却のオファーを受けた時点でドクターはセーブドポイントやボーナスポイントは全く残しておらず、2023年当年分のクラブポイントのみ数千ポイント残していたので、そのポイントが使えるのかどうかをリセール・サポートにメールで質問したところ「権利返却に必要な書類が全て提出されてからHGVC内のオーナーシップ解除や登記変更等の事務処理に入るが、書類等に問題がなければ2ヶ月程度でオーナーシップが解除されてHGVC予約サイトにログインできなくなる。 当年中有効なクラブポイントが残っているならオーナーシップが解除されて予約サイトにログインできなくなる前に残余ポイントで予約可能なリゾートの予約を完了していればオーナーシップが解除された後もその予約は有効であり予約先リゾートに滞在可能。」との回答でした。
オーナーシップが解除されると当然ながら公式サイトにログインできなくなって予約確認もできなくなりますので最終的な予約確認もできないままに旅行することに不安を感じてリセール・サポートに「何らかの予約確認書(Reservation Confirmation)のような物を発行頂けないか」をお願いしましたが「予約確認書の発行はでき兼ねるが、あなたの予約は確かにされており有効なので安心して旅行してください。」という返事でした。
それから数か月後、予約したリゾートにドクターとレディがドキドキしながら向かったところ、receptionで予約番号を告げたら何の問題もなく予約が確認され、オーナーと全く同じ待遇で最後のヒルトンタイムシェア滞在を満喫できました。
但し来年付与される予定のクラブポイントは、権利返却にてオーナーシップが年内に解除されるため当然ながら付与されません。 ですからオーナーシップ解除前に予約サイトから「来年のクラブポイントを前借してのリゾート予約」操作が可能だったとしても、理論的に「来年ポイントの前借予約」はできないことになりますのでご注意下さい。
⑦権利返却申請から完了(オーナーシップ消滅)までにかかった期間
最初に結論を書いておきます。
リセール・サポートからの『ご契約取消よる返却手続き』適用オファーの内容をドクターとレディで十分相談した上で権利返却に応じるメール返信をしてから約3ヶ月後にオーナーIDが無効となり、更に約1ヶ月後にHGVC指定金額の返金がされました。
その間の流れですが、
HGVCリセール・サポートに売却斡旋の相談申し込みをした当日に『ご契約取消よる返却手続き』適用オファーのメールを受信してから残っている年内のクラブポイントの取扱いなどいくつか確認したい事項があったためそれらの確認メールやり取りで約1週間ほど。
それらへの回答が全て納得できるものでしたのでリセール・サポートに『ご契約取消よる返却手続き』の提案を受け入れる旨メール連絡してから数日後に「約1~2ヶ月の内に権利返却手続き用の申請書類一式を郵送する」とのメールを受信。
また同じメールの中で「この書類一式に必要事項記入と必要な添付書類を添えて返送すれば書類不備がなければその後2ヶ月程度で権利返却の事務処理は全て完了してオーナーシップが解除され指定金額が返金される予定」と書かれていました。
その後1ヶ月ちょっと経った時期にHGVCリセール・サポートより権利返却手続き用の申請書類一式が郵送で送られてきました。 (申請にはオーナー2人の印鑑登録証明書が必要なことが既に知らされていたので書類待ちの期間に証明取得済み)
申請書類に記載すべき項目は非常に少なく、手放す物件の英語購入契約書を元に作成されたと思われる(おそらく契約移転に関する各種条項が記載されている)英語文書のいくつかのページにオーナー全員(ドクターとレディ)がサインすべき箇所が指定されているのでそこに2人のサインを記し、それ以外は予め取得しておいた2人の印鑑登録証明書と返金を受ける銀行口座情報を記載する用紙程度でしたので申請書類一式を受領した3日後には記入済み申請書一式をHGVCリセール・サポート宛に投函しました。
(ここで余談になりますが、Hilton Honorsポイント口座の維持について)
HGVCのオーナーシップを失った際に注意しないといけないことにHilton Honorsポイントの確保があります。 HGVCのオーナーであり続ける限りHonorsポイントは無期限に維持されますが、本来は最後のポイント取得日(Honorsポイント口座に増加があった日)から2年間でポイントは消滅しますので、リセールでも権利返却でも無償譲渡でも同じですが、HGVCオーナーシップを失う日に「過去の最後にHonorsポイントの増加があった日」から確実に2年以内にしておかないと一瞬で全ポイントを失うリスクがありそうで不安です。
ドクターは権利返却処理をする前年にタイムシェア旅行をしてアップグレード説明会に参加して特典のHonorsポイントをゲットしておりおそらくHonorsポイントの期限には余裕があると思ってましたが、念には念を入れて権利返却申請書を投函する数日前にHonorsポイントを1000ポイントだけBuy PointしてHonors口座に追加することでHonorsポイントの期限を確実に先延ばししておきました。
(元の話に戻ります)
申請資料を発送してから暫くの間はドクターのオーナーIDで相変
そして日課のように行っていたHGVCオ公式サイトへのログイン
即ち、遂にHGVCへの権利返却が成立してドクターとレディのH
それからは権利返却に伴う返金の振込先に指定しておいた銀行口座
因みに、
この「ヒルトングランドバケーションズへの権利返却」